新谷の日記

有意義なことが書けるように頑張ります

JRで移動する前に知っておくといいかもしれないこと-分割乗車券について-

※筆者の主観で構成された記事です。お金に関することですので、もし問題が起きても筆者は責任を負いかねます。くれぐれも自己責任でお願いします。

 

こんにちは、新谷です。

コロナ禍による緊急事態宣言が解かれたと思ったら感染者数が~とか、豪雨による災害が……とか暗いニュースが続きますね。私は九州に住んでいますので、ここ連日の水害ニュースに心を痛めており、実際に鉄道が運休になるなど実害も受けています。

 

このような災害が発生したというニュースをみると、被害を受けた地域を応援したい!という人がいるかもしれません。応援する方法の1つに「ふるさと納税」があります。過去にふるさと納税について紹介した記事を載せておきます。

ar4t4ni.hatenablog.com

 ふるさと納税を取り扱っているポータルサイトでは、このような災害などがあると被災した地域へのふるさと納税特集を打ち出したりしています。ふるさと「納税」と謳っていますが、あくまでも寄付ですので返礼品を希望しなければ、寄付した金額がほぼすべて自治体へいきわたります。

 

もちろん、寄付した金額に応じて来年度の所得税/住民税が控除される(安くなる)ため、個人的にはヘタに募金箱とかにお金を入れるよりいいのかなと考えています。

 

そして、応援のもう1つの方法として「旅行」があります。名産品に舌鼓を打つ、地元のアトラクションを楽しむ、温泉でリラックスする、友達や家族にお土産を買うなど、お金を使うことでその地域を経済を潤すことができます。実際、政府広報でも被災地へ旅行して支援しようということも謳っています。

www.gov-online.go.jp

さて、旅先への行き方ですが皆さんはどのように移動することが多いでしょうか? 自家用車やレンタカーなどを自ら運転して出かける者、バスに乗る者、飛行機に乗る者、鉄道に乗る者など色々いらっしゃると思います。

 

鉄道で移動する場合、主要な都市や観光地に行く際には各鉄道会社がお得な切符や早割を発売していることがあります。また、金券ショップなどで回数券が購入できる場合もあります。

 

しかし、行き先によってはそのようなお得な切符が設定されておらず、なんだかなーと思われる方も中にはいらっしゃるかもしれません。学生がJRに乗る場合は、学割を活用して乗車券を安く購入する方法もありますが、社会人にはその手段は使えません。

 

そこで、今回はJRでの移動に焦点を当てて、安く移動できる場合があるということを紹介できればと思います。(場合がある、というのが重要です。できない時もあるので、あしからず)

 分割乗車券とは

まず「乗車券」というのは一般的に「切符」と呼ばれているものです。下の画像のようなやつですね。

 

 

乗車券には出発駅名と目的駅名、経由路線などが記載されています。都市圏に住まわれている方は、SuicaPASMOICOCASUGOCA等の交通系ICカードを改札にタッチするだけでJRに乗れるため、何年も紙の切符を買っていないという人もいらっしゃるのですかね?

 

それはさておき、普通は出発駅から目的駅までの乗車券を買うと思いますが、これをあえて「出発駅→途中駅」「途中駅→目的駅」のように複数に分けて乗車券を買うことを分割乗車券と呼んでいます。

 

 

ここで「なんでわざわざ切符を分けて買うの?」「距離が長いきっぷを買ったほうが、距離当たりの値段が安くなるんじゃないの?」と思われる方もいます。わざわざ分けて買う理由はただ1つ、分けて買ったほうが安くなる場合があるからです。

 

もちろん、出発駅から目的駅までの乗車券を購入したほうが安くなることが多いです。ただ、乗車券の分割の仕方によっては、素直に出発駅から目的地までの乗車券を買うより安くなる場合があります。

 

とはいっても、具体的な例があった方がわかりやすいと思いますので、最近購入した熊本駅久留米駅の分割乗車券で紹介します。それがこちら。一緒にYahoo!乗換案内サービスで運賃を検索したキャプチャも載せます。

 

 

熊本駅から久留米駅に行くために、乗車券を大牟田駅で分割しました。乗車券にも記載されているとおり、熊本駅大牟田駅(49.1km)が950円、大牟田駅久留米駅(33.6km)が660円ですので、合計1,610円です。

 

じゃあ、普通に熊本駅から久留米駅まで(49.1 + 33.6 = 82.7km)の乗車券は何円になるのでしょうか。Yahoo!JAPANの乗換案内サービスを使って調べてみると1,680円です。なんと大牟田駅で分割したほうが、普通に乗車券を買うより70円安くなるのです。70円しか安くなってないじゃんっていうのは言わないでください。

 

なぜ分割した方が安くなるときがあるのか

なぜ、あえて乗車券を分割した方が安くなったのかというと、運賃の計算方法に理由があります。JRの運賃は、出発駅と目的駅の距離が長くなれば長くなる程高くなります。

距離に完全に比例して運賃が高くなるわけではなく、距離に応じて運賃が段階的に変化します。

 

ここで、JR九州の運賃表を見てみます。詳細はJR九州のHP(PDF注意)よりご覧ください。先ほど、距離に応じて運賃が段階的に変化すると説明しました。ですので、出発駅から目的駅までの距離が13kmの場合は280円、150kmの場合は2,860円というように距離と運賃表を照らし合わせて、乗車券の価格が決まります。

 

ここで、さっきの熊本駅久留米駅の乗車券の値段をさっきの運賃表に照らし合わせてみましょう。じつは、駅間の距離はYahoo!乗換案内に記載されています。

 

熊本駅から久留米駅までは82.7kmですので「81~90km」の運賃が適用されるのですが、7.3km分余剰に払っているような形になります。そして、熊本駅大牟田駅は49.1kmなので「46~50km」(0.9km余剰)、大牟田駅久留米駅が33.6kmなので「31~35km」(1.4km余剰)の運賃が適用されます。このように、次の段階に移る距離いっぱいいっぱいになるように分割すると、安くなる場合があります。

 

他にも分割した方が乗車券が安くなるパターンがあるのですが、ここではさっき紹介したものも含めて2通り紹介します。

 

分割した方が安くなる場合 その1

こちらは、先ほどと同じパターンです。あまり新しい情報はないのですが、出発駅から目的駅までの乗車券を途中駅で分けて安くするパターンです。

 

 

分割した方が安くなる場合 その2

次は先ほどとちょっと違うパターンです。私鉄が発達している関東、中部、近畿でよく見られる現象です。それがこちら。

 

私鉄が発達しているような地域ですと、路線がJRと並走するような場合があります。この時、JRもなるべく私鉄でなくて自社の鉄道を利用してほしいため、利用客を取り込むために、通常の運賃表で決定されるものより運賃を安い特定区間運賃を設定している場合があります。

 

ほんの一部ですが、下記に例を挙げてます。かっこ内の値段は、運賃表で照らし合わせた時の通常運賃です。(参考1)

  • 新宿-八王子(京王と競合):490円(650円)
  • 品川-横浜(京急と競合):300円(400円)
  • 名古屋-岐阜(名鉄と競合):470円(590円)
  • 名古屋-四日市(近鉄と競合):480円(680円)
  • 大阪-京都(阪急・京阪と競合):570円(730円)
  • 天王寺-和歌山(南海と競合):870円(1,100円)

このように、私鉄と争うために特定の区間のみ運賃を安くしています。が、1駅でも外れると、この特定区間運賃は考慮されず、通常通りに計算されてしまします。それを利用して、特定区間+残り区間のように乗車券を分けて買うという方法です。

 

ここで実例を紹介します。ここでは、八王子駅から東京駅まで行くことを考えます。

普通に八王子駅から東京駅まで乗車券を購入すると820円かかります。

f:id:ar4t4ni:20200712193559p:plain

 

 さて、さっき新宿-八王子は特定区間運賃が設定されていると紹介しました。中央線で八王子駅から東京駅まで行く間に、途中で新宿駅を通ります。ここで、乗車券を「八王子駅新宿駅」と「新宿駅~東京駅」で分けてみます。

f:id:ar4t4ni:20200712194127p:plain

f:id:ar4t4ni:20200712194237p:plain

 

普通に切符を買うと820円なのですが、「八王子駅新宿駅」「新宿駅~東京駅」で分けて買うと合計690円と、130円も安くなります。このように、乗車券を分割することで普通に乗車券を購入するより安くなる場合があります。

 

分割乗車券の検索方法

さて、これまで紹介してきた分割乗車券ですが、どのように分割方法を調べたらよいのでしょうか。いちいち出発駅から目的駅までの距離、各途中駅までの距離を検索するのはかなり骨が折れるます。

 

また、先ほど紹介した特定区間運賃以外にもJRには様々な運賃計算ルールが存在し、それらをすべて頭に叩き込んだうえでないと、正確な運賃を算出することができません。ただ、世の中そのような複雑なルールを頭に叩き込まなくても、検索するサイトがあります。これがこちら。

 

bunkatsu.info

上記サイトで経由する路線名や駅を選択すると自動的にどの駅で乗車券を分割したらよいかというのが出てきます。ただ、このサイトで路線名を指定する場合、正確な名前で指定してあげないといけません。

 

たとえば、「品川駅~大宮駅」で検索するとしましょう。実際に品川駅から大宮駅に行く場合は、京浜東北線上野東京ラインで行くことが多いでしょうが、路線の選択肢にそれらは出てきません。品川駅から大宮駅に経由する際、東京駅を経由すると思いますが「品川駅~東京駅」は東海道本線、「東京駅~大宮駅」は東北本線と路線名が東京駅を境に変わります。ですので、この上記サイトではそのように正確な路線名を選択する必要があるため、あまり鉄道に慣れ親しんでない方は少し苦労すると思います。

 

もし、分からなくなった場合はWikipediaを活用すると良かったりします。「○○駅 Wikipedia」のよう検索してその駅の記事を読むと、その駅が所属する路線名が正確に記載されいますので、その情報を頼りにポチポチ操作すると、どこで分割したら安くなるかという情報が出てきます。(分割しないほうが最も安い場合もあります。)

 

また、この上記サイトは往復乗車券での検索や小児運賃、学割運賃、通勤定期券での検索も可能となっています。色々なパターンで検索できますので、よく乗っている路線で調べてみると面白いかもしれません。

 

詳しい操作方法は下記をご参照ください。

bunkatsu.info

分割乗車券を購入する方法

先ほど、どのように乗車券を分割したらよいか検索する方法を紹介しました。もし、乗ろうと思った路線が乗車券を分割することで安くなる場合、どのように分割乗車券を購入したらよいのかを紹介します。

みどりの窓口を利用する

これが一番鉄板だと思われます。窓口にいる駅員に乗車する駅、分割する駅、目的駅を伝えて発券してもらう方法です。みどりの窓口では全JR線の乗車券を購入することが可能ですので、例えば九州にいながらにしても旅行先の北海道の分割乗車券をあらかじめ購入することが可能となります。

旅行会社を利用する

JTB日本旅行などJR乗車券が発券可能なお店で購入するという手もあります。旅行会社はショッピングモールにあることも多いので、最寄駅は無人駅だけど近くに旅行会社なら……という方にはお勧めです。こちらも、みどりの窓口同様店員さんに乗車する駅、分割する駅、目的駅を伝えたら発券してもらえます。

指定席券売機を使う

主要な駅に設置されていることが多い指定席券売機を使う手もあります。

www.jreast.co.jp

新幹線の特急券など購入される場合によく使われると思いますが、指定席券売機は乗車券のみ購入することが可能です。また、指定席券売機の場合、出発駅を任意に設定できるため、乗車する駅や分割駅、目的駅をポチポチ操作することで、人を介さずに購入することが可能です。最近は、JR九州管内にも指定席券売機が増えてきたので嬉しい限りです。

 

えきねっとを使う(JR東日本エリアのみ発券可能)

最後に、えきねっとを使う方法です。

www.eki-net.com

通常、JR東日本エリアの特急や新幹線を予約するときに良く使われると思いますが、えきねっとは乗車券のみ購入することも可能です。

 

しかもJR東日本エリアにとどまらず、他JRエリアの乗車券も購入することが可能です。ただし、受取可能なエリアはJR東日本エリアの駅のみですので、少し不便かもしれません。

 

しかし、事前にネットで申し込みでき、指定席券売機にクレジットカード入れるだけで予約した乗車券をまとめて発券することが可能ですので、窓口などで時間を使わずにすんなり発券することが可能です。JR東日本エリアにお住いの場合やそのエリアに旅行する場合は便利だと思います。

 

えきねっとの使い方は下記HPにありますので、ご参照ください。

www.eki-net.com

分割乗車券を利用するデメリット

さて、ここまで乗車券を分割して購入すると安くなる場合があるという話や、どうして安くなる場合があるのか、どのように分割したらよいか、どのように購入したらよいかを説明してきました。

 

安くなる!とメリットを推してきたのですが、もちろんデメリットも存在します。

そもそも分割して購入することが面倒くさい

これを言ってしまうとおしまいです……

ただ、事前に乗車券を分割して用意する必要があることがほとんどですので、数十円しか安くならないという場合、そこまで労力をかけて買う必要があるか?となることもあります。

 

ただ、場合によっては数百円単位で安くなる場合もあるので、乗る前に一度検索してみるといいと思います。案外安くなるかもしれませんよ。

払戻し手数料が高くなる

発券・購入した後にもし旅行をキャンセルせざるを得なくなった場合、払い戻しを受けることがあると思いますが、この時払戻し手数料が高くつきます。

 

乗車券の払い戻しは1枚当たり220円かかるため、分割しなかったらそれだけで済みますが、分割乗車券の場合、分割した数だけ手数料が発生します。

 

もし、旅行が中止でなく延期である場合は、乗車券の有効期限が切れる前にみどりの窓口へ行くと、1回は無料で日付を変更してくれますので、慌てずに対処するといいと思います。

乗車券の有効期間が短くなる/途中下車できなくなる場合がある

乗車券はその距離が長くなれば長くなる程、その距離に応じて有効期間が長くなります。しかし、分割乗車券はあえて乗車券を分割して、乗車券1枚当たりの距離を短くするため、その分有効期間が短くなってしまいます。

www.jreast.co.jp

また、特定の条件を除いた場合、乗車券の距離が片道101km以上になると、後戻りしない限り何度でも途中下車することが可能になります。もともと101km以上あった乗車券を分割して101kmを下回った場合、分割した駅以外での途中下車ができなくなってしまいます。

 

ですので、自分の旅行プランなどから分割しないほうが最適なのか、分割しても大丈夫なのかよく考えて選択する必要があります。

悪天候などのトラブル時に乗車券代が全額返ってこないことがある

もし、旅行中に悪天候や人身事故などで旅行を取りやめざるを得なくなった場合、無賃送還といってタダで出発駅まで戻ることが可能になります。

 

ただし、これは乗車券が役目を果たすことができなかった場合です。ここで実例を挙げましょう。

 

例えば、八王子駅から東京駅に向かったとします。中央線にのって新宿駅を通りすぎ、あいにく途中の水道橋駅悪天候によって旅行を中止せざるを得なくなった場合、乗車券を分割していない場合は「八王子駅~東京駅」がその役目を果たしていない(目的駅の東京駅まで行けていない)ので、追加料金なしで八王子駅まで戻ることができます。

 

しかし、このとき持っていた乗車券が「八王子駅新宿駅」「新宿駅~東京駅」だった場合、新宿駅は通り過ぎているので「八王子駅新宿駅」の乗車券はその役目を果たしたことになります。ですので、水道橋駅から旅行を中止して八王子駅に帰る場合、「新宿駅~東京駅」の乗車券は役目を果たせていないので、新宿駅までは無賃送還してもらえるのですが、新宿駅より先は乗車券を再度購入して八王子に帰る必要が出てきます。

 

ここまでデメリットを記載してきましたが、突発的なトラブルに弱いことがよくわかると思います。ですので、そのようなデメリットがあることを理解したうえで、購入する必要があります。

 

あくまで、本来は乗車券は出発駅から目的駅まで買うものですので、自らそのような選択をしてデメリットを受けた場合、駅員などに問い詰めるのは間違っていますので、くれぐれも気を付けましょう。

 

最後に

ここまで分割乗車券について記述してきました。ここまで色々書いてきましたが、分割乗車券については、ここでなくてももっとわかりやすく書いているHPやブログもあると思います。

 

じゃあ、何で書いたのかというと旅行に行きたいフラストレーションが溜まったからというのが一番の理由です。

 

旅行に行きたくてもコロナがどうだとか、計画していた鉄道旅が昨今の豪雨で線路ごと流されて絶望的になったとかそういう理由です。あと暇だったから。

 

しかし、文句ばかり言っててもしょうがないので、このトラブルが落ち着いたら色々旅行に出かけたいと思います。それは私に限らずそう考えている方もいると思います。

 

経済も冷え込んでいる中、災害でやられた地域もあります。前にふるさと納税という方法を紹介したので、今回は別のことを書こうと思い、旅行に着目してこの記事を書きました。

 

かなり長くなりましたが、乗車券は普通に買う以外にもこういう買い方があるんだよということを知ってもらえると幸いです。ちょっと浮いたお金で、ご飯を豪華にしたり、貯金に回したりと色々考えてみるのもいいかもしれません。

 

今回もここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。長文でかなり読みづらいところもあったと思いますが、またネタを思いついたら書いていきます。よろしくお願いしますね。

 

※筆者の主観で構成された記事です。お金に関することですので、もし問題が起きても筆者は責任を負いかねます。くれぐれも自己責任でお願いします。