新谷の日記

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微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その4

こんにちは、新谷です。

前の記事では複利でお金を運用すると、ただお金を貯めるよりお金が増やせていいかもねという話を進めてきました。

ar4t4ni.hatenablog.com

私は楽天証券投資信託を毎月定額積立購入し始めて3年ちょっとになるのですが、コロナ禍による株価暴落、アメリカ大統領選挙による株価回復もあって、今のところまあまあな運用利回りで貯められています。ただ、今後の景気動向によってはマイナスに振れるかもしれないので短期の利益だけで一喜一憂はできませんが……

定額で投資し続けると、株価が下がった時は多く株が購入され、株価が上がった時は少なく株が購入されるのでので、株価の変動が激しくても株の購入金額を平準化できます。その結果、一括で株などの金融商品を購入するより、安定した運用ができるといわれています。このような運用方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれています。

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もちろんデメリットもあります。株の購入金額が平準化されてしまうので大きな利益を狙うことは難しいですし、購入する金融商品の選択を誤ると購入する度に手数料がかかり思うような利益が得られないことなどが挙げられます。運用方法には一長一短があるので自分のライフプランや運用に回せるお金と相談して考えたほうがいいでしょう。

今では「つみたてNISA」や「iDeCo」、「確定拠出型年金」など特に長期間な運用に対して税金を控除してくれる制度もあるので是非活用するといいでしょう。公的年金をあてにしないで老後の生活資金は自分で用意してね(笑)という遠まわしな国のメッセージなのかもしれません。

私はファイナンシャルプランナーでも金融に詳しいわけでもないため、これ以上の言及は避けます。さて、ここでは複利でお金を運用したときの「増え方」に着目して行こうと思います。

複利での増え方を考える

前回の記事では100万円を年利3%で運用したときのお金の増え方を例に書きました。おさらいとして下にグラフを載せています。

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単利と複利のお金の増え方

さて、それぞれのお金の増え方を定式化します。お金をy、元本をP、年利をI、運用年数をnとすると下記のようになります。

  • 単利の場合:y=P+nPI=P(1+nPI)
  • 複利の場合:y=P\left (1+I \right )^{n}

上のグラフはP=100万円、I=0.03(3 \%)として描いたものです。単利の増え方は一次関数ですので、その増え方は以前書いた記事を応用したら簡単に分かると思います。(微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その2 - 新谷の日記)

今回は複利での増え方を細かくみていきたいと思います。上の式ですと年利で考えていますが、半年で考えてみましょう。半年ですと利率が\dfrac{I}{2}ですので、下のようになります。

  • 半年利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left ( 1+\dfrac{I}{2}\right )^{2n}

半年利率で考えているため年利には1/2、期間nには2をかける必要があります。1日利率で考えると年利には1/365、期間には365をかける必要があります。

  • 1日利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left ( 1+\dfrac{I}{365}\right )^{365n}

さて、これまでのことから\dfrac{1}{m}年利率での運用を考えた場合は下のようになりますね。

  • \dfrac{1}{m}年利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left ( 1+\dfrac{I}{m}\right )^{mn}=P\left(1+\dfrac{1}{m} \right )^{mnI}

複利でのお金の増え方を細かくみるとなると、mを増やせば見れそうですね。このままだと考えにくいので式もう少し変形させましょう。

  • \dfrac{1}{m}年利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left \{ \left( 1+\dfrac{1}{m}\right )^{m} \right \}^{nI}

mだけの項\left(1+\dfrac{1}{m} \right )^{m}が出てきましたね。この項は元本P、年利I、運用年数nには関係ないです。複利での細かくみるとするとmを大きくするといいですね。せっかくなので無限に細かくみましょう。無限に細かく見るということはmを無限大にしたらいいですね。

無限に大きくするっていわれても分かんねえよってなると思いますが、今はフリーソフトでも便利な表計算ソフトがあるのでそれを活用してみるといいでしょう。下式のように置き換えてmを無限に増やしてみましょう。

  • e=\left ( 1+\dfrac{1}{m}\right )^{m}

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mをどんどん大きくしていくと、e2.71828182846\cdots \cdotsという値に近づいています。複利でのお金の増え方を無限に細かく見てみると2.71828182846\cdots \cdots \cdotsという変な係数がでてくるということになります。

  • \dfrac{1}{\infty}年利率でn年の運用を考えた場合:y=Pe^{nI}

このe=2.71828182846\cdots \cdotsは最初にネイピアさんが発表したのでネイピア数って呼ぶらしいですね。

今回のように指数関数的に増えるものの増え方を見てみると、このネイピア数という数字が出てきます。次回はこの数字を使って色々モノの増え方/減り方というのを考えていこうと思います。

まだまだ続きそうですので、引き続きよろしくお願いします。感想や誤植のご指摘等々ありましたら、Twitterもしくはコメント欄でご指摘いただけると嬉しいです。

続きます。

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