新谷の日記

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微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その2

こんにちは、新谷です。

前の記事では、モノの増え方/減り方って色々あるねっていう話をしました。

ar4t4ni.hatenablog.com

中学までに学習する一次関数、二次関数だけで2つ学んでます。

  • 一次関数:y=ax+b
  • 二次関数:y=ax^{2}+bx+c=a\left (x+\dfrac{b}{2a} \right )^{2}+\dfrac{4ac-b^{2}}{4a}

「変化の割合」という、どれくらいモノの増え方/減り方が違うのかという指標の話もしましたね。
変化の割合=\dfrac{y\mbox{の増減量}}{x\mbox{の増減量}}

この記事では、変化の割合から話を続けていきます。

変化の割合って本当に同じなの?

さて、話を簡単にするために一次関数、二次関数の形を簡単にしておきます。グラフも貼っておきますね。

  • 一次関数:y=x
  • 二次関数:y=x^{2}

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一次関数と二次関数

前の記事ではxが0→2に増えた時、一次関数と二次関数で変化の割合が違いますねって話をしました。

  • 一次関数(y=x)の変化の割合:\dfrac{2-0}{2-0}=1

  • 二次関数(y=x^{2})の変化の割合:\dfrac{4-0}{2-0}=2

さて、ここで考えたいのはxが0→1に増えた時のそれぞれの変化の割合です。

  • 一次関数(y=x)の変化の割合:\dfrac{1-0}{1-0}=1
  • 二次関数(y=x^{2})の変化の割合:\dfrac{1-0}{1-0}=1

一次関数も二次関数も一緒ですね!……といいたいところですが、ここで終わるとここまで話してきた意味がありません。

確かにどちらもx=0のときはy=0x=1のときはy=1ですので変化の割合は変わりませんが、グラフを拡大して細かく見てみると増え方が全然違いますよね

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拡大したグラフ

x=0.1とかx=0.3の時とかは、一次関数の方がyの増え方が大きいように見えますが、xが1に近づくにつれて二次関数のyの増え方がだんだん大きくなり、x=1のときに追いつき、xが1より大きくなると二次関数のほうがyが大きくなっていきますね。

一次関数と二次関数、それぞれ細かい場所でみると変化の割合が違っていそうですね。

細かい場所で変化の割合をみてみる

さて、細かい場所で変化の割合をみてみるとはいっても、どうやってみたらいいのでしょう。そもそも「細かく」ってどれくらい細かくみたらいいんでしょう。

せっかく細かくみるなら、めっちゃ細かくみたくないですか?オタクと呼ばれる人種がよく使っている誇大表現でいうと「無限」に細かく。とはいっても、いきなり「無限」に細かくみるのは難しいので、下のように考えてみます。

xxx+aに増えた時の一次関数と二次関数の変化の割合を考えてみます。xaだけ増えてますね。さて、一次関数と二次関数でyの値がどうなるかというと下のようになります。

xのとき

  • 一次関数:y=x
  • 二次関数:y=x^{2}

x+aのとき

  • 一次関数:y=x+a
  • 二次関数:y=(x+a)^{2}

ここは丁寧に進めたいので、次はyの増加量を考えましょう。素直にx+aの時のyから、xの時のyを引けばOKです。

  • 一次関数のyの増加量:(x+a)-x=a
  • 二次関数のyの増加量:(x+a)^{2}-x^{2}=(x^{2}+2ax+a^{2})-x^{2}=2ax+a^{2}

上で求めたyの増加量をxの増加量aで割れば、それぞれの変化の割合が出ますね。

  • 一次関数の(y=x)の変化の割合:\dfrac{a}{a}=1

  • 二次関数の(y=x^{2})の変化の割合:\dfrac{2ax+a^{2}}{a}=2x+a

一次関数y=xの変化の割合は上でも求めてきましたが、ずっと1ですね。さて、二次関数は2x+aとなってます。

さて、ここで思い出したいのが「無限」に細かくみるということです。ここまで見てきた変化の割合はxaだけ増えたものでした。ということはaを細かくしたら、細かく変化の割合が分かりそうですね。

「無限」にaを細かくって面倒くさい、じゃあゼロでいいじゃん。オタクが好みそうな極論ですね。それでいいんです。(厳密にはダメだけど。)

aをほとんどゼロにしてしまうと、aなんて面倒くさいこと考えなくてもいいですね。じゃあ、aをほとんどゼロにして取っ払った場合の変化の割合をみてみましょう。

  • 一次関数の(y=x)の変化の割合:1
  • 二次関数の(y=x^{2})の変化の割合:2x

一次関数の変化の割合は1ですが、二次関数の変化の割合を見てみるとxが残っています。つまりどういうことかというと、二次関数はxによって変化の割合が変わるということになります。

さっき話した、x=0.1とかx=0.3の時ときは一次関数の方がyの増え方(変化の割合)が大きいけど、xが1に近づくにつれて二次関数のyの増え方(変化の割合)がだんだん大きくなり、x=1のときにyが追いつき、xが1より大きくなると二次関数のほうがyが大きくなるということに説明がつきそうですね。

世の中にはxの値によって、変化の割合が変わる現象が多くあります。1つ例を挙げると、自動車免許を取得された方は勉強されたと思いますが、運転中に急ブレーキをかけて、ブレーキをかけ始めてから自動車が停車するまでの距離(制動距離)は自動車の速度に比例しません。

www.zurich.co.jp

ここでは自動車の速度をx、制動距離をyとして考えてみましょう。上のリンクを基に制動距離を抜粋してみました。

自動車の速度 制動距離
20km/h 3m
40km/h 11m
60km/h 27m
80km/h 54m
100km/h 84m


自動車の速度xが速くなると、制動距離yが長くなるのは当たり前ですが、自動車の速度xが2倍、3倍になっても、制動距離yは2倍、3倍にならずそれ以上になっていることが分かると思います。書いてて、変化の割合がxによって変わるということを義務教育中にここまで教わらなくても、自動車のハンドル握れるのかと少し疑問思いましたが……

ここでは、変化の割合を「無限」に細かくみる方法について記述していきました。ここから話をこじつけて人生豊かになるかもねっていう話を書いてきますが、話のキリがいいので一旦ここで〆ます。

この感じですとまだまだ続きそうですので、何卒よろしくお願いします。誤植等々ありましたら、Twitter、もしくはコメント頂けると幸いです。

続きます。

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