新谷の日記

有意義なことが書けるように頑張ります

微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その6

こんにちは、新谷です。

なんか新型コロナウイルスの感染者が増えているみたいですね。 無症状の人もいるとかいう話もありますが気を付けたいところ。

さて、今回の話は少し戻ってその4の話の続きからです。

ar4t4ni.hatenablog.com

その4では複利でお金が増える(指数関数的に増える)とき、その増え方を無限に細かくみてみました。ここでは指数関数を簡単な形にして指数関数の増え方を無限に細かくみましょう。

指数関数を一番簡単な形で書くと、下のように書けます。

y=A^{x}

さて、xx\rightarrow x+aと増えたときの指数関数の変化の割合を見ようと思います。yの値は下記のようになります。

xのとき

  • y=A^{x}

x+aのとき

  • y=A^{x+a}

さて、変化の割合は下の式で求めることができます。

変化の割合=\dfrac{y\mbox{の増減量}}{x\mbox{の増減量}}

この式に当てはめて指数関数の変化の割合を見てみましょう。

\begin{align}
\dfrac{A^{x+a}-A^{x}}{(x+a)-x} &= \dfrac{A^{x}(A^{a}-1)}{a} \\
&= A^{x}\left( \dfrac{A^{a}-1}{a}\right )
\end{align}

元の指数関数に\dfrac{A^{a}-1}{a}という係数がかけられています。このときaを無限に小さくしたら指数関数の変化の割合を求めることができます。ただ、この係数はAの値が変わるとその都度変わるので求めるのが少し億劫です。勘がいい人なら、係数が1になると指数関数の変化の割合を求めても、元の指数関数と式の形が変わらないから計算が楽じゃね?と考えるかもしれません。

ですので、次はその係数が「1」となるようなAを求めてみます。係数が1ですので、下のように書けます。

\begin{align}
\dfrac{A^{a}-1}{a} &= 1 \\
A^{a}-1 &= a \\
A^{a} &= 1+a\\
A &= \left (1+a \right ) ^{\frac{1}{a}}
\end{align}

\left (1+a \right ) ^{\frac{1}{a}}aを無限に小さくしたら、係数が1になるAを求めることができそうですね。aを無限に小さくしたとき(0に近付ける)の値は手計算でもいいのですが、今の時代は無料で使える表計算ソフトがあるのでそれで計算してみましょう。その結果はこちら。

f:id:ar4t4ni:20210106233014p:plain

aを0に近付けると、A=2.71828182846\cdots \cdotsになります。さて、ここで勘のいいひとはまた気付くかもしれませんが係数が1となる場合のAの値はネイピア数となります。

ですので、ネイピア数の指数関数y=e^{x}の変化の割合はそのままネイピア数の指数関数となります。つまり、ネイピア数の指数関数の変化の割合で求めた関数の変化の割合を求めた関数を……とやっても形はずっと変わりません。ちょっと面白いですね。

このネイピア数は高校以降で数学を学んだ方ですと嫌でも出てくる数字ですので馴染みがある人は多いと思います。指数関数を学ぶ上で切っても切れないネイピア数

前の記事でも紹介しましたが「預貯金やローンなどの仕組みは,等比数列や指数関数についての知識等がなければ理解しにくい。 」と高校指導要領で謳っているので、有意義なことを書くことを目的としているこのシリーズでも今後何かと取り扱います。

このシリーズですがまだまだ締め方が思いつかないのでまだまだ続きそうですので、今後もよろしくお願いします。感想や誤植のご指摘等々ありましたら、Twitterもしくはコメント欄でご指摘いただけると嬉しいです。

続きます

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