新谷の日記

有意義なことが書けるように頑張ります

LaTeX導入備忘録

こんにちは、新谷です。

 最近新しくPCを組み立ててから、色々自分好みの環境に整えていました。

そのときに\LaTeXの環境を整えていたのですが、こういうのって数年に1度くらいしかやらないのでやり方を忘れちゃうんですよね。

そんなに\LaTeX使う機会あるか?と言われると私の場合、社会に出てからMicrosoft Wordばかり使っていて、数式が多いレポートを書く時くらいしか\LaTeXを使わないのが正直なところ。あとは趣味で文書を書くときに使うくらいですかね?前に書いた問題集とかも実は\LaTeXで書いています。ただ、少なくとも学生の時と比べると使用頻度は激減しました。

ar4t4ni.hatenablog.com

学生の頃、恩師が\LaTeX教信者だったこともあって私も入信して学生の頃のレポートはほとんど\LaTeXで書いていたのですが、社会に出ると思うほど信者っていないんですよね。

今思うとレポートとか出すもの出せば、Wordでも\LaTeXでもなんでもいいじゃんと思うのですが、先生が\LaTeX信者だと否が応でも使わないといけなかったりします。ここでは、自分への備忘録も兼ねて導入方法を記載します。\LaTeXをこれから使う人・使わないといけない人も参考になるかも?

LaTeX導入のメリット

これから\LaTeXを使う人に対してメリット・使わないといけない場面を挙げるとしたら以下の感じですかね。

  • 学会の予稿、論文テンプレートが\LaTeXしかない・指定されている。

少なくとも10年前くらいだとそういう学会はまだありましたね、今はどうなっているか知りませんが。もし、運悪くそのような学会に参加しなければならないときは諦めて使いましょう。

  • 数式がキレイにかける。

最近のMicrosoft WordやPowerpointでも数式エディタで綺麗に数式をかけるようになっていますが、個人的にはまだ\LaTeXの方がいいのかな~といった感じ。あと書くのが楽。ただあくまでも個人的な印象ですし、数式をそんなに書くことがないのであれば正直なんでもいい。

  • 無料で使える

お金のない学生には嬉しい。ただ、大学や高等専門学校のような高等教育機関ですと学校がMicrosoftとライセンス契約を結んでいて、学生の間はWordやExcelPowerpointなどが無料で使えることが少なくないですし、会社だと経費で買ってもらえますし。それに今では「Open Office」や「Googleドキュメント」などタダでそれっぽいものも用意されているので、正直このメリットも微妙。

  • ファイル分割が容易

\LaTeXに限らず、Wordでも卒論などの長~~~い文章を書くときは絶対ファイルを分割したほうがいい。文章や図、表が多くなると動作が重くなって記述に時間がかかりますし、何よりクラッシュしたときのショックが大きい。\LaTeXだと下の記事のようにファイルを分割すると、バグ修正など色々やりやすくなります。ただ、Wordでも同じようなことができるらしいのでこのメリットも微妙。

cns-guide.sfc.keio.ac.jp

  • エディタが豊富

この表現が的を得ているかわかりませんが、\LaTeXはプログラム言語のようなものですのでメモ帳で書いてもよし、WinshellやEclipseなど自分好みのエディタを使ってよしと幅広い。この機にどんなエディタがあるかググってみたのですが、種類が多すぎて紹介できないくらいにはあります。

さて、無理やり\LaTeXのいいところを紹介してきました。これ以降は自分の備忘録も兼ねて、これから\LaTeXを導入したい人・しないといけない人向けに個人的に快適な\LaTeX環境導入方法をまとめていきます。

参考書(必要な人は)

\LaTeXググると結構名前が出てくる奥村先生が書かれた入門書。\LaTeX信者の先生は大体持っていることが多いはず(バージョンは古くても十分)。ただ値段も値段ですし、最悪コマンドなんてググればどうにでもなるので、図書館にあったり先生が持っていたりしたら借りて読んでみる程度でいいかも。

EclipseをDLする(すでにある人は不要)

情報系の学生や、プログラミングを生業にされている方は使っている人もいると思います。オープンソースで無料ですし便利ですよね。Eclipseのアドインをインストールすることで\LaTeXも記述できます。

色々種類がありますが、\LaTeXのためだけに導入する場合は最新版の「Platform」で十分。ソフトウェアのファイルサイズが数GBあるので、それなりのストレージ容量は確保してください。あと、人によっては通信量にも注意しましょう。

mergedoc.osdn.jp

PDFリーダーソフトをインストール(すでにある人は不要)

すでに何かしら使っている人もいると思いますが、ない人はPDFリーダーをインストールしておきましょう。PDFが読めれば何でもいいので無料のやつでいい。Adobeが鉄板なのかな?Adobe Readerは下記からDLしてください。

acrobat.adobe.com

LaTeXをインストール

ここからが本番。Windowsを使われている方は下記URLからインストーラをDLしてインストールしてください。画面の指示に従ってポチポチするだけで導入できるのでめっちゃ楽。

www.ms.u-tokyo.ac.jp

それ以外のOS環境を使っている人は、下記を参考にするといいかも。やったことないのでどうかは知らんけど。

texwiki.texjp.org

Eclipseのアドイン(TeXlipse)をインストール・設定する

下記を参考にTeXlipseをインストールと細かい設定をしましょう。自分の環境ではこれで動いてるので、これで動かなかったといわれても正直分からん。ググればわかるらしい。

texwiki.texjp.org

TeXlipseを使ってみる

下記を参考に\LaTeXを使いましょう。よほど変な設定を入れない限り、documentファイルを新たに生成するとテストファイルが出てくるのでそれで動作確認をしてみましょう。正常に動けばそれでOK。

texwiki.texjp.org

eepic.styをDLする(オプション)

特に高校、大学初期の数学レポートを書く人はあると何かと便利かも。下記URLから「eepic.sty」ファイルをDLし、.texファイルと同じフォルダに入れて最初に「\usepackage{eepic,mathtips}」と記載してアクティブにしましょう。

mixedmoss.com

\LaTeXのいいところはこういう拡張ファイルを作ってしまえば自由な記述をすることが可能になるところもありますね。これ以外にもいろんな人が.styファイルを無料で配布していたりするので、物足りない人は色々探してみるのもいいかも。

EPSファイル(画像)出力用仮想プリンタを設定する(オプション)

\LaTeXでは文書の中に画像を貼り付けるときは、基本的にEPSファイルを使います。

正直、GIMPAdobe Illustratorとかでお絵描きしたときにEPSファイルとしてエクスポートした方が早かったりするのですが、学会とかの発表でPowerPointを使ってお絵描きしたときだと仮想プリンタを使って直接EPSファイルを生成したほうが早いです。

仮想プリンタという名の通り、PC上ではプリンタとして存在しているのですが、プリントするときにファイルを生成するというやつです。

設定方法や使い方は下記に詳しく書いてるので、そちらを参照してください。

kano.arkoak.com

EPSコンバータをDLする(オプション)

こちらはすでにある画像ファイル(JPG、BMPPNGなど)をEPSに変換するフリーソフト。ソフトを起動して、出てきたウィンドウに画像ファイルをドラッグ&ドロップするだけでEPSファイル生成できる。特に設定やインストールもいらないのでめっちゃ楽。必要なら下からDL。

hp.vector.co.jp

さて、ここまで\LaTeX導入方法を記載してきました。ただ、自分の備忘録ですので説明が不十分なところが多いかも。こんなことを言うと元も子もないのですが、先ほど紹介したTeX Wikiの内容をちょっと焼き直しただけの記事ですので、細かいことはTeX Wikiを読めば分かると思います。

texwiki.texjp.org

あとは学生のころ\LaTeXのコマンドを調べるのによく使ったサイトの紹介です。正直、コマンドはググれば色んなサイト・ブログでごまんと紹介されているので、それを見ながら使ってみて慣れるといいでしょう。

www.latex-cmd.com

www002.upp.so-net.ne.jp

\LaTeXはWordソフトと違って直感的な操作ができないので、最初は慣れないこともあると思いますが、使ってくると\LaTeXでないと生きていけない体になります。多分。自ら\LaTeXの道に足を踏み入れる人、研究室のボスに使うことを強要されて仕方なく使う人色々いると思いますが、その方の参考になればと思います。

誤植等々ありましたらコメントやTwitterでご指摘頂けると確認します。ここまで読んでいただきありがとうございました。

微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その6

こんにちは、新谷です。

なんか新型コロナウイルスの感染者が増えているみたいですね。 無症状の人もいるとかいう話もありますが気を付けたいところ。

さて、今回の話は少し戻ってその4の話の続きからです。

ar4t4ni.hatenablog.com

その4では複利でお金が増える(指数関数的に増える)とき、その増え方を無限に細かくみてみました。ここでは指数関数を簡単な形にして指数関数の増え方を無限に細かくみましょう。

指数関数を一番簡単な形で書くと、下のように書けます。

y=A^{x}

さて、xx\rightarrow x+aと増えたときの指数関数の変化の割合を見ようと思います。yの値は下記のようになります。

xのとき

  • y=A^{x}

x+aのとき

  • y=A^{x+a}

さて、変化の割合は下の式で求めることができます。

変化の割合=\dfrac{y\mbox{の増減量}}{x\mbox{の増減量}}

この式に当てはめて指数関数の変化の割合を見てみましょう。

\begin{align}
\dfrac{A^{x+a}-A^{x}}{(x+a)-x} &= \dfrac{A^{x}(A^{a}-1)}{a} \\
&= A^{x}\left( \dfrac{A^{a}-1}{a}\right )
\end{align}

元の指数関数に\dfrac{A^{a}-1}{a}という係数がかけられています。このときaを無限に小さくしたら指数関数の変化の割合を求めることができます。ただ、この係数はAの値が変わるとその都度変わるので求めるのが少し億劫です。勘がいい人なら、係数が1になると指数関数の変化の割合を求めても、元の指数関数と式の形が変わらないから計算が楽じゃね?と考えるかもしれません。

ですので、次はその係数が「1」となるようなAを求めてみます。係数が1ですので、下のように書けます。

\begin{align}
\dfrac{A^{a}-1}{a} &= 1 \\
A^{a}-1 &= a \\
A^{a} &= 1+a\\
A &= \left (1+a \right ) ^{\frac{1}{a}}
\end{align}

\left (1+a \right ) ^{\frac{1}{a}}aを無限に小さくしたら、係数が1になるAを求めることができそうですね。aを無限に小さくしたとき(0に近付ける)の値は手計算でもいいのですが、今の時代は無料で使える表計算ソフトがあるのでそれで計算してみましょう。その結果はこちら。

f:id:ar4t4ni:20210106233014p:plain

aを0に近付けると、A=2.71828182846\cdots \cdotsになります。さて、ここで勘のいいひとはまた気付くかもしれませんが係数が1となる場合のAの値はネイピア数となります。

ですので、ネイピア数の指数関数y=e^{x}の変化の割合はそのままネイピア数の指数関数となります。つまり、ネイピア数の指数関数の変化の割合で求めた関数の変化の割合を求めた関数を……とやっても形はずっと変わりません。ちょっと面白いですね。

このネイピア数は高校以降で数学を学んだ方ですと嫌でも出てくる数字ですので馴染みがある人は多いと思います。指数関数を学ぶ上で切っても切れないネイピア数

前の記事でも紹介しましたが「預貯金やローンなどの仕組みは,等比数列や指数関数についての知識等がなければ理解しにくい。 」と高校指導要領で謳っているので、有意義なことを書くことを目的としているこのシリーズでも今後何かと取り扱います。

このシリーズですがまだまだ締め方が思いつかないのでまだまだ続きそうですので、今後もよろしくお願いします。感想や誤植のご指摘等々ありましたら、Twitterもしくはコメント欄でご指摘いただけると嬉しいです。

続きます

ar4t4ni.hatenablog.com

2020年記事まとめ

こんにちは、新谷です。

 

皆様、年の瀬いかがお過ごしでしょうか。

今年から始めたこのブログ、モチベーションがあるうちに更新しようと思い、今年本ブログで読まれた記事TOP5をまとめていこうともいます。

 

 

TOP5 「数学問題あれこれ」44PV

ar4t4ni.hatenablog.com

 

数学ネタのためかPV低め。やはりこういうお堅い話題はウケは悪いみたい。けど書けるような内容はそれくらいしかないのでまだまだ続けます、多分。

 

実は解答もつけているので、理系高校生・大学生にはいい勉強になるかも。知らんけど。

TOP4  微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その3 48PV

ar4t4ni.hatenablog.com

 

これも数学ネタ。お金の話を絡めていますが正直二番煎じ間は否めない。できるかは置いといて、どうにか差別化は図りたいところ。

 

ただこういうネタは、私が社会に出る前に知っておいた方が良かったな~と思うことを書いてるので、これから社会に出る人や出たばかりの人に読んでもらえると嬉しかったりするらしい。

 

TOP3  微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その1 56PV

ar4t4ni.hatenablog.com

 

TOP4に出てきたシリーズの第一弾。第一弾が一番読まれるのはありがち。

実は「微分」「積分」のワードを一切使わずに書くことをモットーに頑張っているらしいが、この手のネタも二番煎じ間は否めない。今更ですがタイトルが少し長すぎたなーと思ったりもしている。来年の目標はこれをちゃんと完結させることですかね。

 

TOP2  フェス限って本当にオトクなの?@ミリシタ 99PV

ar4t4ni.hatenablog.com

 

PV数が倍近く増えた。みんなガチャの話好きなんですね。バンナムさんいい商売してますね。ちょうど今日の15時にミリシタのフェス限は終わったのですが、それの確率をこねくり回しただけの記事。

 

ガチャの確率に関する記事は色々あるのですが、ミリシタにフォーカスしたものがなかったことと、Twitterフォロワーの構成的にまあまあ読まれたのかな?といったところ。

 

TOP1 ソシャゲのガチャ天井300回って根拠あるの? 936PV

ar4t4ni.hatenablog.com

 

TOP2と約10倍差。やっぱり皆さんガチャ好きなんですね。義務教育でほぼ確実に学ぶであろう確率の話をこねくり回して、ガチャに関するガイドラインと照らし合わせながら根拠があるのかどうかということをまとめています。

 

最終的に「これが天井300回の根拠だ!」と言及するところまでには至っていないのですが、この記事を書くにあたって色々調べたりして自身の知見が広がったのは良かったなと自己満足しています。

 

まあ分かったことは、排出確率を消費者に提示していれば青天井でも問題ないということでしょうか。ただ天井を設定しておかないと、ソシャゲ・アプリゲーが乱立している今の時代ではユーザー離れを加速させてしまうので、運営側も「仕方なく」天井を設定しているのかなと邪推しています。ある程度数学は分かっていた方が人生は豊かになるらしいね、私は数学できませんけど。ただ天井の設定数の理由は機会があれば知ってみたいですね。心理的なもの?もしかすると意外と根拠はないんでしょうか?

 

私が運営しているこのブログはTwitterでしか宣伝していないのですが、この記事に関してはGoogleで検索されて読まれている数の方が多いんですよね。1か月前くらいにGoogleにて「ガチャ 天井」で検索すると検索結果1ページ目には出てきたので、たまたま検索した人の目に留まったのかな~?といったところ。2020年12月31日21時20分時点ではまだ1ページ目にはありました。これから下がるのでしょうけど。

 

最後に

更新は不定期ですが、なんだかんだ続いてる本ブログ。雑多なことを書くブログを目標にしていましたが、しばらく数学ネタが続いていて、それがもう少し続きそう。

 

自己満足で書いているブログですが、できるだけ有意義なことがかけるように来年も気が向いたとき・ネタができた時にほどほどに頑張ります。

 

それでは皆様よいお年を!

中学の時に西暦を素因数分解しようっていう問題って出ませんでした?

こんにちは、新谷です。

もうすぐ2020年も終わり、2021年になりますね。

今年は楽しみにしていたイベントや催し物がことごとく中止に追い込まれ、充実したかといわれると「うーん」といったところ。新しくPCも買ったし、趣味を充実させて来年は過ごしたいところ。

ところで、中学生のころ「素因数分解」って習いましたよね。ある自然数素数の積で表現するやつです。例えば10を素因数分解すると2\times 5、72なら2^{3}\times 3^{2}とか。

で、変な先生がいるところだと「今年の西暦を素因数分解してください」みたいな少し難易度高めな問題が出されたりするんですよね。2020は簡単なほうで、末尾が0なので10(2\times 5)で割って202、202の末尾が偶数だから2で割って101。101は素数なので、2020=2^{2}\times 5\times 101でおしまい。

ただ2021は末尾が偶数でもないし、5とか0でもないので何で最初は割ろうか少し困るところ。ということで、中学生は知っておくと何かと便利かもしれない素因数分解テクニックも交えながらつらつらと書いていきます。

まずは下の2つ。

  • 数字の末尾が偶数なら「2」で割る。
  • 数字の末尾が0 or 5なら「5」で割る。

上の2つは解説するまでもないですね。

各桁の数字を足したとき3の倍数なら「3」で割る。

今回は使いませんが、知っていると何かと便利。例えば111を素因数分解するとなった場合、各桁の数字を足すと1+1+1=3になって3の倍数になりますね。ということは111は3で割り切れることになり、素因数分解すると111=3\times 37になります。(あとは証明書いていくので読みたくないという方はSKIPしてください)

自然数が3桁の場合

100の位をa2 、10の位をa1、1の位をa0と書くと、これらを組み合わせた自然数100a_2+10a_1+a_0と書けますね(a_2,a_1,a_0は0~9の整数)。これを変形させます。

\begin{align}
100a_2+10a_1+a_0  &= (99a_2+a_2)+(9a_1+a_1)+a_0 \\
&= (99a_2+9a_1)+(a_2+a_1+a_0) \\
&= 3(33a_2+3a_1)+(a_2+a_1+a_0)
\end{align}

3(33a_2+3a_1)は3がかけられているので3の倍数であることは間違いありません。ですので、a_2+a_1+a_0が3の倍数、各桁の数字を足して3の倍数だったら必ず3で割り切れることになります。

自然数n桁の場合(一般化)

n桁の整数の場合、先ほどと同じように書くとすると下記のようになります。(a_kは0~9の整数。)

\displaystyle{
\sum^{n}_{k=0}10^{k}a_k
}

すごくすっきりしましたね。これを先ほどと同じように変形させます。

\begin{align}
\sum^{n}_{k=0}10^{k}a_k &= 10^{n}a_n + 10^{n-1}a_{n-1} +\cdots +10a_1+a_0\\
&=\left \{(10^n-1)+1\right \} a_n+\left \{(10^{n-1}-1)+1\right \} a_{n-1}+\cdots \\
&+(9+1)a_1+a_0
\\
&= \sum^{n}_{k=0}\left ( 10^{k}-1\right )a_k+\sum^{n}_{k=0}a_k
\end{align}

\displaystyle{10^{k}-1}は9が連続して並んでいるだけなので、\displaystyle{ \sum^{n}_{k=0}\left ( 10^{k}-1\right )a_k}は3で必ず割り切れます。

ですので、 \displaystyle{\sum^{n}_{k=0}a_k}つまりすべての桁の数字を足して3の倍数になれば自然数全体も3で割り切れることになります。

各桁を交互に足す引くを繰り返した時の結果が11の倍数なら「11」で割る。

これもここでは使いませんが知っていると何気に便利。例えば319を素因数分解するとなった場合、各桁の数字を交互に足し引きすると3-1+9=11になって11の倍数になりますね。ということは、319は11で割り切れることになり、素因数分解すると319=11\times 29になります。(あとは証明書いていくので読みたくないという方はSKIPしてください)

自然数が3桁の場合

100の位をa2 、10の位をa1、1の位をa0と書くと、これらを組み合わせた自然数100a_2+10a_1+a_0と書けますね(a_2,a_1,a_0は0~9の整数)。これを変形させます。

\begin{align}
100a_2+10a_1+a_0  &= (99a_2+a_2)+(11a_1-a_1)+a_0 \\
&= (99a_2+11a_1)+(a_2-a_1+a_0) \\
&= 11(9a_2+a_1)+(a_2-a_1+a_0)
\end{align}

11(9a_2+a_1)は11がかけられているので11の倍数であることは間違いありません。ですので、a_2-a_1+a_0が11の倍数、各桁の数字を交互に足し引きを繰り返して11の倍数だったら必ず11で割り切れることになります。

自然数n桁の場合(一般化)

n桁の整数の場合、先ほどと同じように書くとすると下記のようになります。(a_kは0~9の整数。)

\displaystyle{
\sum^{n}_{k=0}10^{k}a_k
}

すごくすっきりしましたね。これを先ほどと同じように変形させます。

\require{color}\begin{align}
\sum^{n}_{k=0}10^{k}a_k &= 10^{n}a_n + 10^{n-1}a_{n-1} +\cdots +10a_1+a_0\\
&=\left \{(10^n\textcolor{red}{-}1)\textcolor{red}{+}1\right \} a_n+\left \{(10^{n-1}\textcolor{red}{+}1)\textcolor{red}{-}1\right \} a_{n-1}+\cdots \\
&+(11-1)a_1+a_0(n\mbox{が奇数の時。偶数の時は赤字の符号が逆転。})
\\
&= \sum^{n}_{k=0}\left \{ 10^{k}+(-1)^k\right \} a_k+\sum^{n}_{k=0}(-1)^{k+1}a_k
\end{align}

\displaystyle{10^{k}+(-1)^{k}}はエイヤで11で割り切れます。(帰納法とか使えば求められるかも、知らんけど)

ですので、 \displaystyle{\sum^{n}_{k=0}(-1)^{k+1}a_k}、つまりすべての桁の数字で足し引きを繰り返して11の倍数になれば自然数全体も11で割り切れることになります。

a^{2}-b^{2}の形に変形させる。

中3だと因数分解a^{2}-b^{2}=(a-b)(a+b)の公式を習うと思いますが、この形に変形できるなら素因数分解は勝ちゲーです。例えば323を素因数分解する場合、323=18^{2}-1^{1}=(18-1)(18+1)=17\times 19でおしまいです。(そもそもどうやってその変形に持っていくの?っていうツッコみはナシで)

あとこれとセットで知っておくと便利なものが末尾が5の数字を2乗したときの公式。15^{2}=22535^{2}=122545^{2}=202555^{2}=302565^{2}=4225\cdotsと書いくと、下2桁は25・それより上の桁は(10の位の数字) \times (10の位の数字+1)になっていることが分かると思います。これも覚えておくと何かと便利です。(あとは証明書いていくので読みたくないという方はSKIPしてください)

☆2桁の場合の証明

10の位の数字をaとすると、末尾が5の数字は10a+5と書けます。これを2乗すると、下のように書けます。

\require{color}\begin{align}
(10a+5)^{2} &= 100a^{2}+100a+25 \\
&= 100\left \{a(a+1) \right \}+25
\end{align}

100\left \{a(a+1)\right \} は100がかけられているので、下2桁の25には被りません。ということで、下2桁は25・それより上の桁は(10の位の数字) \times (10の位の数字+1)になります。(2桁じゃなくてもこれは成立するらしいね)

2021を素因数分解する

さて、本題に入って2021を素因数分解します。2021とにらめっこしていると、下のように書けます。

\require{color}\begin{align}
2021 &= 2025 - 4 \\
&= 45^{2} - 2^{2} \\
&=(45-2)(45+2) \\
&= 43\times 47
\end{align}

2021はa^{2}-b^{2}の形に変形できたので、だいぶ楽に素因数分解できると思います。そもそもこれをどう思いつくの?っていうのはあると思いますが慣れです。似たような問題をこなせばまあまあわかると思いますので、中学生は冬休み中に慣れておくのもいいかもしれません。

この記事にオチがあるわけではないのですが、どこかしらの学校ではほぼ確実にこのような問題が出ると思いますので覚えておくと便利かも?

あとはもしかすると上につらつら書いてきたことは高校受験で役立ったりするかもしれないので、冬休み中の復習にぜひ活用してください。

PC作ってみた

ご無沙汰しております、新谷です。

 

一足先に(?)年末年始休暇に入り、特にすることもなかったのと、そろそろ新しいPC(Personal Computer)欲しいなぁ~~~という物欲を抑えきれなくなったこともあって、新しいPCを購入しました。

 

PCを買ったとは言っても、家電量販店やBTO(Built To Order)のようにすでに組み立てられているものではなく、時代に逆行してパーツをあれこれ購入して自作しました。

 

PCを作るうえで困ったのが、「何を目標に作るか」。趣味で自作しているという方はその過程を楽しまれる人が多いと思うので困らないでしょうが、今回私は初めて自作PCに挑戦したので非常に困りました。

 

ですので、今回は「本体だけで10万円前後」、「Apex Legendsを快適に(60fps以上)」を目標に作ってみました。特にApexをプレイしているわけではなかったのですが、周りの人でプレイしている人が多く、指標としてはちょうどいいかな?というそれくらいの理由でパーツ選びをしました。

 

これをみてPCを作る参考にする人はいないでしょうが、自分への備忘録も兼ねてPCで使ったパーツを列挙して反省点等々書いていこうかと思っています。

 

PCで最低限必要になるパーツは、以下の8つ。

 

  • マザーボード
  • CPU(Central Processing Unit)
  • ストレージ
  • DRAM(Dinamic Random Access Memory)
  • GPU(Graphics Processing Unit)
  • OS(Operating System)
  • 電源Unit

 

参考価格は私が購入したときの価格で書くので、もしかすると今現在とは異なるかもしれませんがご承知おきください。

 

AMD(Advanced Micro Devices)社製のCPUで組むためにこれを選択。AMDのCPUにした理由は特になく、コスパがいいとかなんとかか聞くからですね。にわか魂全開なので。このマザーボードは結構ポートが多いのであれこれパーツを足して拡張したいという方にはぴったりかもしれませんが、特にそういうことをしないという方にはデカすぎるかも。買った後でいうのもあれですが、私にとっては少しオーバースペック気味だったかぁ~といったところ。目標が曖昧だからパーツ選択も誤りがち。

 

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  • CPU(AMD RYZEN5 3600) 26,037円

特にいうことなし。予算内で組もうと思ったらこれくらいしか選択肢がなかった。

 

 

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  • ストレージ(Crucial P2 1TB 3D NAND NVMe PCIe M.2 SSD)  10,980円

最後にPCパーツを買ったのが約10年前なので、SSDの価格下落の仕方にドン引き。しかも、SATA接続とは違ってマザーボードに刺すだけで使えるので、配線も面倒くさくないし楽。値段が下がれば今後こういうのがスタンダードになるのかな?といったところ。

 


 

 

  • DRAM(Crucial DDR4-3200 8GB × 2枚) 7,520円

先ほど紹介したRYZEN5が3200MHzのDRAMまで認識するという理由で特に理由もなくぽちったのですが、マザーボードの定格が2666MHz。BIOS(Basic Input/Output System)で3200MHzにオーバークロックしてみたのすが、CPU負荷率が100%近くになるとPCが落ちて残念な感じに……だったら、最初から定格周波数が低くて安い2666MHzのメモリ買っておけばよかったなーと反省。

 

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今回購入したCPUにはGPUが備え付けられていないのと、Apexをそこそこ快適にプレイするためには必要なので購入。今考えるとマザーボードとかメモリをもう少しダウングレードしてGPUにお金かけてもよかったのかなー感は否めない。

 

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  • OS(Windows10 Home) 16,900円

これも特にいうことなし。最新のWindowsだから買った。

 


 

  • 箱(ATXミドルタワーケース「旋風」SCY-CFS3-BK) 5,591円

先ほど紹介したマザーボードが入るサイズ(ATXサイズ)で検索して出てきてまあまあ安かったこれを購入。ただ、裏面配線がないのが残念。私の場合はM.2のストレージを購入したので配線が少なく、雑にやっても支障はなかったのですが、光学式ドライブとかいろいろパーツを足し始めると結構面倒かも。あと箱がでかい。

 


 

 

  • 電源Unit(Corsair CV650) 7,280円

これも特にいうことなし。将来パーツ増やして拡張するかも(笑)とかいう理由で電源容量大きいものを選定しましたが、今の使い方だとこれより小さくて安いものでもよかったかもしれない。

 

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これまでに書いてきた構成で今回はPCを作製しました。合計金額は107,083円。ちょっと高くついた……事前にメモリの規格確認したり、マザーボードをもう少し安いものにしておいたら予算内には収まっていたかも……

 

ここまで書いてて面倒になったのですが、この構成でApex LegendsのFull High Definition(Full HD)が75fpsくらい。まあまあの出来では?と新谷真司的には満足してます。

 

ベンチマークも兼ねてCINEBENCH R15」を回してみたところマルチコア性能で1,580ほど、 シングルコア性能で195ほど。

 

どれほどすごいかは知りませんがYouTubeで「吉田製作所」で調べると、いろんな構成でCINEBENCHをしているので、詳しく知りたい人はそれを見るといいかも。ネットサーフィンとかするくらいならオーバースペックすぎますね。PCゲームをするなら、ちょっと物足りないかも。中途半端な感じになりましたね。

 

www.youtube.com

 

今回は忘備録がてらこのブログを書いたので、これから自作挑戦される方の参考になるかはわかりません。少なくとも今この構成のPCで本記事を書いているので動くことは確かです。

 

もしかすると、動画作成とかゲームを熱中してやるとなるとこの構成が大きく活きるかも。いつになるかは知りませんが……

 

ここまで読んでいただいた方はありがとうございます!年末年始休暇を活かして頑張って有意義なこと書いていけるようにがんばるぞい。

微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その5

こんにちは、新谷です。

お勤め人の方は、そろそろ冬の賞与が支給される時期ではないでしょうか。

まとまったお金が入ってくるので、買いたかったものを買う人、趣味に費やす人、年収が確定したからと「ふるさと納税」の調整をする人、将来に向けて貯金する人・投資する人、それぞれいると思います。

ふるさと納税を検討しており、楽天会員かつ楽天カードをお持ちの方は、12/4(金)現在開催中の楽天スーパーセールやお買い物マラソンを組み合わせて寄付をすると、期間限定ポイントがザクザク貰えるので是非利用してみるといいでしょう。

さて話は変わって、本ブログでは複利でのお金の増え方について紹介しました。

ar4t4ni.hatenablog.com

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株や投資信託、不動産などの資産運用や、預金などの利息を利用することで、指数関数的にお金を増やすことができるという話をしてきました。

今回は、そのお金の増え方に関する小話を紹介しようと思います。

72の法則

アイマスを嗜んでるという方は、一度はネタにしたりされたりしているのを見たことであるだろう数字「72」。けどここではアイマスの話はしません。

投資されている方や、勉強されている方はこの法則知ってるよ!と答える人が多いと思います。どのような法則かといいますと、お金を年率I[%]で運用するとき、72をIで割るとそのお金が2倍になるのに何年かかるかパッと分かるという法則です。

www.bank-daiwa.co.jp

  • N=\dfrac{72}{I}

I:年利[%]、N:お金が2倍になるために必要な期間[年]

年利[%] お金が2倍になるために必要な期間[年]
0.001 72000
0.01 7200
0.1 720
1 72
2 36
3 24
4 18
5 14.4
10 7.2
12 6
18 4
20 3.6

現在、銀行預金の年利は0.001[%]代のところが多いため、金融商品で運用するリスクを嫌ってひたすら銀行預金に預け続けて、今ある元手を2倍にしようと思うと72000年かかります。

前々回の記事投資信託で運用した場合、年利3%は割と現実に即しているという話をしました。年利3%だと元手が2倍になる年数は24年。30代過ぎから資産運用を始めると、ちょうど定年前くらいで2倍にできる計算です。そう考えると、複利での運用は若いうちに手を出しておいた方がよさそうということが分かりますね。元手があるとは言ってないけど。

その期間をより短くしようと思うと、リスクを取ってさらに年利の高い運用するか、ギャンブルで一発当てるしかないですね。

さて、72を年利で割るだけで今ある元手が2倍になる年数が計算できる「72の法則」。この「72」はどこから出てきたのでしょうか。

72の出どころ

前々回前回の記事で複利でお金がどう増えるかということを書いていきました。

それが分かっていば、この「72」に近付くことができます。さて、お金をy、元本をP、運用年数をn、年利をI[%]とするとそれぞれの関係は下のように書けます。

  • \displaystyle{y=P\left (1+\frac{I}{100}\right )^{n}}

※今回年利は百分率(パーセント)で考えているため、Iは100で割っています。

さて、今回はI[%]で運用したときに何年でお金が元本の2倍になるかを考えます。お金が元本の2倍になるということはy=2Pということになります。元本が2倍になる年をn=Nとすると、先ほどの式は下のようになります。

  • \displaystyle{2P=P\left (1+\frac{I}{100} \right )^{N}}

この式からNを求めたら良さそうですね。両辺の自然対数を取って、式をガチャガチャ変形させると下のようになります。

  • \displaystyle{N=\frac{\ln 2}{\ln \left (1+\dfrac{I}{100}\right )}}

式が複雑になっちゃいました……けど、かつての数学者は偉大で、このような複雑な式を簡単な形に変形する術をもっていました。上の式の分母はある制約を入れると、下のように近似できます。

  • \ln \left (1+\dfrac{I}{100}\right )\approx \dfrac{I}{100}

めっちゃ簡単になりました。(詳しく知りたい方はテイラー展開マクローリン展開でググってください。 |I| \lt100という制約を入れ、2次項からは\left ( \frac{I}{100}\right )^{n}\approx 0とするのがミソです。)

Nの式を簡単な形に書き直すと、下のように書けます。

  • N=\dfrac{100\ln 2}{I}

お手元に関数電卓をお持ちの方は、100\ln 2を計算すると約69.3という値が出てきます。つまり、Nの式は下のように書けます。

  • N=\dfrac{69.3}{I}

あれ……さっきの72はどこ行った……

結局72ってなんなのよ

散々72で弄っておいて、72を割る形になってないじゃんというツッコみもあると思います。でも安心してください。下の表に69.3と72のそれぞれの数字で計算した値の一覧を載せます。

年利[%] ちゃんと計算したとき 69.3で計算したとき 72で計算したとき
0.001 69315.06 69300 72000
0.01 6931.82 6930 7200
0.1 693.49 693 720
1 69.66 69.3 72
2 35.00 34.65 36
3 23.45 23.1 24
4 17.67 17.325 18
5 14.21 13.86 14.4
10 7.27 6.93 7.2
12 6.12 5.775 6
18 4.19 3.85 4
20 3.80 3.465 3.6

年利が小さい時は69.3で計算した方がちゃんと計算したときの値に近いですが、年利が大きくなると72で計算したときの方が値が近くなっています。

先ほどNの式を求める時に計算が面倒だから近似して、簡単な式に変形しました。あくまでも近似しただけですので、ちゃんと計算したときと比較して誤差があるのは当然です。

簡単な計算するときの誤差をいい感じに小さくしようと思うと、69.3ではなく72で計算したほうが都合がよかったので、72が選ばれたと考えられますね。

他に考えられるのは計算のしやすさです。72は整数だから計算しやすいのはもちろんですが、72は1,2,3,4,6,8,9,12,18,24,36,72の12個の約数を持っています。2桁の整数で12個の約数を持つというのは最多です。

先ほどの69.3を四捨五入して69にしてもいいのですが、69の約数は1,3,13,69の4つだけです。なので、パッと計算したいときは72で計算したほうが割り切れた数字がでやすいので、ざっくり計算したいときにはぴったりです。

72を年利で割ると元手が2倍になる年数が分かるので、これから資産運用を考えていて、いつまでに元手を2倍にしたいか目標を立てているという方は、何%で運用すればいいか目安を知ることもできますね。

リボ払いは計画的に使わないと大変なことになるらしいね その2

ここまではお金が増えるという話をしてきました。増えるお金は今自分の手元にあるお金だけではありません。借金も利息がかかっているので、借金も増えます。

例えばローンを組むとき、ローンの利息と「72」という数字を使えば、何年で返済額が2倍になるか計算することができます。特に、大きいお金が必要になる自動車ローンや住宅ローンでは、長期間の返済が必要になるので「72の法則」から本当に自分がお金を完済できるか?と考え直してみるのもアリだと思います。

あと怖いのはリボ払い。計画的に利用している人はいいのですが無計画に使っている方はいないでしょうか?

前々回の記事ではリボ払いで下記程度の利息がかかると紹介しました。

参考:利息制限法 | e-Gov法令検索

元本利息(年利)
~10万円20%
10~100万円18%
100万円~15%

例えば10万円を年利18%でリボ払いしていたとしましょう。計画的に使っており、この10万円を返し続けていたらいいのですが、毎月ちょこちょこリボ払いをしてこの10万円が維持されるとどうでしょうか?

72の法則から、72を年利18で割ると4年という数字が出ます。つまり、たった4年で10万円借りていたつもりが20万円返さないといけなくなります。この数字をみると、リボ払いの年利は決して低くないということが分かります。

複利は味方につけると大変心強い味方になってくれますが、敵に回るとすごく恐ろしいです。ですので、運用するにしても借りるにしても計画的にお金のことを考えたほうがよいでしょう。

最後に

この記事では「72」とお金の関係について書いてきました。何気なくイジっているであろう「72」、実はお金の増え方と密接な関係していることが分かったと思います。

先ほども書きましたが、複利は味方につけると心強いですが、敵に回すと大変なことになります。私もそうですが、複利を味方につけられるような過ごし方をしたいものです。

さて、「微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話」という題で始まったこのシリーズは早くも?5回目。

まだまだネタは尽きないので書いていきますが、みんなに興味を持ってもらえるようになるべく実用的で役立つようなことをこれからも書けるように頑張りたいと思います。
感想や誤植などのご指摘等々ありましたら、Twitterもしくはコメント欄で反応いただけますと嬉しいです。

続きます。

ar4t4ni.hatenablog.com

微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その4

こんにちは、新谷です。

前の記事では複利でお金を運用すると、ただお金を貯めるよりお金が増やせていいかもねという話を進めてきました。

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私は楽天証券投資信託を毎月定額積立購入し始めて3年ちょっとになるのですが、コロナ禍による株価暴落、アメリカ大統領選挙による株価回復もあって、今のところまあまあな運用利回りで貯められています。ただ、今後の景気動向によってはマイナスに振れるかもしれないので短期の利益だけで一喜一憂はできませんが……

定額で投資し続けると、株価が下がった時は多く株が購入され、株価が上がった時は少なく株が購入されるのでので、株価の変動が激しくても株の購入金額を平準化できます。その結果、一括で株などの金融商品を購入するより、安定した運用ができるといわれています。このような運用方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれています。

www.daiwa.jp

もちろんデメリットもあります。株の購入金額が平準化されてしまうので大きな利益を狙うことは難しいですし、購入する金融商品の選択を誤ると購入する度に手数料がかかり思うような利益が得られないことなどが挙げられます。運用方法には一長一短があるので自分のライフプランや運用に回せるお金と相談して考えたほうがいいでしょう。

今では「つみたてNISA」や「iDeCo」、「確定拠出型年金」など特に長期間な運用に対して税金を控除してくれる制度もあるので是非活用するといいでしょう。公的年金をあてにしないで老後の生活資金は自分で用意してね(笑)という遠まわしな国のメッセージなのかもしれません。

私はファイナンシャルプランナーでも金融に詳しいわけでもないため、これ以上の言及は避けます。さて、ここでは複利でお金を運用したときの「増え方」に着目して行こうと思います。

複利での増え方を考える

前回の記事では100万円を年利3%で運用したときのお金の増え方を例に書きました。おさらいとして下にグラフを載せています。

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単利と複利のお金の増え方

さて、それぞれのお金の増え方を定式化します。お金をy、元本をP、年利をI、運用年数をnとすると下記のようになります。

  • 単利の場合:y=P+nPI=P(1+nPI)
  • 複利の場合:y=P\left (1+I \right )^{n}

上のグラフはP=100万円、I=0.03(3 \%)として描いたものです。単利の増え方は一次関数ですので、その増え方は以前書いた記事を応用したら簡単に分かると思います。(微積分を知っていると少し人生が豊かになるかもしれないねって話 その2 - 新谷の日記)

今回は複利での増え方を細かくみていきたいと思います。上の式ですと年利で考えていますが、半年で考えてみましょう。半年ですと利率が\dfrac{I}{2}ですので、下のようになります。

  • 半年利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left ( 1+\dfrac{I}{2}\right )^{2n}

半年利率で考えているため年利には1/2、期間nには2をかける必要があります。1日利率で考えると年利には1/365、期間には365をかける必要があります。

  • 1日利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left ( 1+\dfrac{I}{365}\right )^{365n}

さて、これまでのことから\dfrac{1}{m}年利率での運用を考えた場合は下のようになりますね。

  • \dfrac{1}{m}年利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left ( 1+\dfrac{I}{m}\right )^{mn}=P\left(1+\dfrac{1}{m} \right )^{mnI}

複利でのお金の増え方を細かくみるとなると、mを増やせば見れそうですね。このままだと考えにくいので式もう少し変形させましょう。

  • \dfrac{1}{m}年利率でn年の運用を考えた場合:y=P\left \{ \left( 1+\dfrac{1}{m}\right )^{m} \right \}^{nI}

mだけの項\left(1+\dfrac{1}{m} \right )^{m}が出てきましたね。この項は元本P、年利I、運用年数nには関係ないです。複利での細かくみるとするとmを大きくするといいですね。せっかくなので無限に細かくみましょう。無限に細かく見るということはmを無限大にしたらいいですね。

無限に大きくするっていわれても分かんねえよってなると思いますが、今はフリーソフトでも便利な表計算ソフトがあるのでそれを活用してみるといいでしょう。下式のように置き換えてmを無限に増やしてみましょう。

  • e=\left ( 1+\dfrac{1}{m}\right )^{m}

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mをどんどん大きくしていくと、e2.71828182846\cdots \cdotsという値に近づいています。複利でのお金の増え方を無限に細かく見てみると2.71828182846\cdots \cdots \cdotsという変な係数がでてくるということになります。

  • \dfrac{1}{\infty}年利率でn年の運用を考えた場合:y=Pe^{nI}

このe=2.71828182846\cdots \cdotsは最初にネイピアさんが発表したのでネイピア数って呼ぶらしいですね。

今回のように指数関数的に増えるものの増え方を見てみると、このネイピア数という数字が出てきます。次回はこの数字を使って色々モノの増え方/減り方というのを考えていこうと思います。

まだまだ続きそうですので、引き続きよろしくお願いします。感想や誤植のご指摘等々ありましたら、Twitterもしくはコメント欄でご指摘いただけると嬉しいです。

続きます。

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